ベーシックインカム、通称BI。
毎月一定の金額を支給することにより、基本的な生活費を補うという画期的な制度ですね。
ロボット産業が著しく発展していく中で、社会を激変させうるこの制度の採用がいよいよ現実味を帯びてきたのかもしれません。
まだ賛否は大きく分かれてはいるものの、ロボットが仕事を徐々に奪っていくのが目に見えてわかるようになってきたことで、ベーシックインカムを導入しようという声も強い力を帯びてきました。
今回は、そんなベーシックインカムが日本に導入される未来に向けて、僕たちがこれからすべきことについて考えていきましょう。
サンフランシスコでベーシックインカムの実験が開始
世界中の国々に先駆けて(途上国での先行事例はあるものの)、サンフランシスコのような大都市とも言える地域でベーシックインカムが試用されていることが話題を呼んでいます。
ベーシックインカムが採用されることにより、社会的貧困に陥る人々の数が減り、誰もが自分らしい人生を実現できるというのが賛成派の意見。
ただ、今回のサンフランシスコでの実験は、支給対象が子どものいる家庭のみに絞られていることから、従来のベーシックインカムのイメージとは多少異なるところがあるかもしれません。
日本でいう『子ども手当』などに近い印象ですね。
今後、さらに多くの地域でベーシックインカムが試験的に導入され、その効果はいかなるものなのか注目を集めていくでしょう。
それはもちろん、日本においても例外ではありません。
日本での導入はいつになるのか?
ロボット産業やAI技術が大きく発展していく現代で、ロボットがすべての仕事を奪ってしまう日が来るとも言われています。
2020年には株式会社は無くなるという極論じみた意見から、2045年にはロボット社会が完全に定着するという『2045年問題』まで、多方面にわたってAIの持つ可能性が語られるようになりました。
AIとBIの関係性は非常に密接なもので、ベーシックインカムが導入されるということはAI時代の到来を同時に意味していると言っても過言ではありません。
そんな中で日本という国にもベーシックインカムが導入される日は、これは個人的な意見ではありますが、世界中の状況から見ても避けられないものでしょう。
具体的にいつなのかということは定かではありませんが、『2045年問題』で言われている2045年に向けてベーシックインカムの必要性も大きく人々の意識に根付いてくるのかもしれません。
そう考えると、決してこれは現実味のない夢物語などではなく、僕たちの生きている間に実際に起きるであろう現実味にあふれた話です。
だからこそ、ベーシックインカムが実際に導入されるのか?ということをいつまでも議論しているのではなく、特に若者に関しては『必要な備え』をしておくべきではないでしょうか。
備えあれば憂いなしというわけではありませんが、ベーシックインカムという社会を激変させる制度の導入が現実味を帯びてきてから動き出すようでは遅いと思うわけです。
これは僕自身に取っても他人事などでは全くなく、むしろそういった新時代が到来してもいいように、こうして個人でビジネスを展開し『必要な備え』を蓄えています。
2045年といったら僕なんかは50歳前後になりますが、その年で自分の人生を見失ってしまうことなど想像するだけでも恐ろしいことです。
若者がこれからすべき3つのこと
さて、ベーシックインカムがいつ導入されるのか?ということを議論し続けていてもそれは徒労に過ぎないので、いずれ訪れるであろう新時代に向けて僕たちが何をすべきか?ということを考えていきましょう。
ここでいう新時代とはロボットが今あるほとんどの仕事を奪ってしまい、『個人の幸せ』について一人一人がより深く真剣に考えなければいけないような時代です。
そんな想像もつかないような時代に向けて、僕たちがするべきことは主に3つあります。
お金の使い方をしっかり考える
むしろ今の時代でも必要とされていることですが、まずはお金に関する知識を増やす必要があります。
ベーシックインカムはほぼ無条件に国民に支援金が配布される制度ですので、人々の手元にはある程度のお金があるということにもなります。
このことに対して、自分の趣味嗜好や娯楽にばかりお金を費やしてしまうのは、ベーシックインカムの理念に反する行為です。
そもそもベーシックインカムは人々の教育意欲の向上だったりスキルを高めることだったり、生産的に使われることを見越して配布されるものであるべきです。
ですので、そうして配布されたお金を無駄なものに使ってしまうようでは、経済はある程度回っていくかもしれませんが、結果として本末転倒な事態を招いてしまいます。
そもそもお金を趣味嗜好に使うことで人々が幸せを感じることができるのは、その幸せのための努力(仕事など)があってこそ。
働いて得たお金でも自分で稼ぎ出したお金でもない、無条件に配布されたお金を趣味嗜好に使い続けても、それはあまり幸せな人生だとは言うことができません。
お金の生産性というのは現代においても必要とされている考え方ですが、『お金はあるのに幸せじゃない』といった状況にならないためにも、『どのようにお金を使ったら自分は幸せなのか?』ということは常に意識しておきたいところです。
お金のために働くことをやめる
先ほどはロボットが人間の仕事を奪ってしまうなどという話をしましたが、『仕事』に生きがいの起点を置いている人は考え方を改める必要があります。
正しくは、『お金をもらうために仕事をする』という考えで働いているのであれば、その考えを改めた方が良いでしょう。
ロボットがコンビニレジを代替したり、自動運転タクシーや介護ロボットなどが台頭してきた中で、仕事を失う人というのもこれから間違いなく増えていきます。
むしろそうして『働かなくても良い人』を生み出すことがAIの発展に伴ったベーシックインカムの目的の一つでもあるのですが、仕事以外の生きがいというのも今から意識しておかなければ、いざという時に生きる意味を見失いかねません。
一番は仕事と趣味の境界線を曖昧なものにし、好きなことで生きていくのがベストなのですが、仕事第一主義のような考え方はまず捨てた方が良いでしょう。
お金のためではなく『自分の幸せのため』に仕事をするようになれば、たとえ『仕事』という一つの手段を失ったとしても、自分の幸せを実現するために前向きに生きていくことができます。
個人で稼ぐ力を身につける
これが最も必要とされている力で、正直なところロボットに仕事を奪われるにしても、会社がいきなり倒産したりクビを宣告されることにしても、現代は本当に『いつ仕事を失うか』ということは誰にも想像もつかないような時代です。
『この会社で一生働くぞ』と一念発起したのはいいものの、先程お伝えした2045年を待たずしてAIが僕たちの仕事を奪い始めたとしたら、30〜40歳といういい年齢で職を失う可能性も大いに考えられます。
そこで自分の手元を見て、『名刺の渡し方やビジネスマナーはしっかりと身についた、でも働く場所を失ったら何もできやしない』なんて、そんな悲惨な話はないでしょう。
ベーシックインカムが、仮に僕たちが生きているうちに完全に実現しなかったとしても、職業が減っていくというAI進出の流れは決して止めることはできません。
『どんな大人になりたいのか?』『これからの時代で必要なことは何なのか?』ということを考えた時に、最も必要とされるのが『個人で稼ぐ力』です。
それはもちろんこれからもそうですし、たとえロボットが職を奪っていったとしても『個人で稼ぐ力』は失われることはありません。
特に若者に限った話というわけでもありませんが、これから到来する未来を見越して『個人で稼ぐ力』を身につけておくことは、幸せな人生を送り続けていくために欠かせない大切な要素です。
最後に
ベーシックインカムが導入される未来は、僕が生きているうちであろうがなかろうが、遅かれ早かれ避けられないものだと思っています。
それはAIが発展・進出する勢いを目にすれば、ある意味受け入れるしかないことでしょう。
もちろんBIが導入される形こそこれから検討されていくべきではありますが、僕たちのような若者は来るべくして来る新時代に向けて備えを蓄えておくべきです。
『今を生きろ』なんて言葉はよく言われるものですが、それは未来を見越した上での『今』を生きるということです。
時代性をしっかりと理解し、これから訪れる未来を見越し、そしてリスクを負ってでも必要とされる『力』を身につけることこそ、今の若者には求められているのではないでしょうか。